バイオ業界の市場と転職就職の求人事情
バイオ産業、バイオテクノロジー企業は、生物産業・醗酵産業・バイオインダストリーともよばれますが、主に、発酵、遺伝子組換え、組織培養、細胞融合など、生物学上の研究をビジネスに応用した比較的新しい分野、産業です。
バイオ業界は2000年台前半から高い注目を集めていて、その影響から大学にもバイオ関連の学科、学部が多数新設されました。
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ただし、大学時代にこうした遺伝子工学、生命科学、タンパク質工学、生体触媒、有機化学、農学など臨床や研究開発を重ねた学生であっても、バイオ業界に技術職で就職転職するのは、企業側と求職者の需要供給バランスの関係で、なかなか狭き門であるのが現状のようです。
バイオ業界の市場
バイオテクノロジーの発展により、医療業界、食品業界、エネルギー業界、その他業界に幅広くバイオ技術は貢献しています。
例えば、医療・薬剤業界について言及すると、バイオ技術の発展により、遺伝子治療や遺伝子解析・操作、診断、また細胞培養・融合・加工・探索に伴う新薬の開発に大きな影響を与えています。
食品業界については、もちろん昔からおなじみの食品である、味噌や醤油や酒などの醸造食品も、微生物を利用して生成されているという側面からバイオ食品に該当するといえます。
ですが、今日注目を集めているバイオ食品としては、遺伝子組み換え食品や、保健の効果（許可表示内容）を表示することのできるトクホ（特定保健用食品）も、このバイオテクノロジーに支えられています。
そして、エネルギー業界ですが、バイオ燃料が大きな貢献をしています。
バイオ燃料は、トウモロコシなどの生物資源であるバイオマスからディーゼル燃料やエタノールを製造されるのですが、その最大の課題は低コスト化と言われています。
そのため今注目を集めているのが、ミドリムシなどから油分を抽出して燃料にする藻類燃料で、トウモロコシなど食品としての利用がないため、バイオ燃料としての研究開発が進んでいます。
日本国内の大手バイオエタノール製造企業を見ていくと、榎本藻やシュードコリシスチス、ミドリムシといった藻類燃料をベースにしている企業としては、ユーグレナ、IHI、デンソー、日立、JX日鉱日石エネルギー、いすゞ自動車などがあり、木質バイオマスを原料としている、王子HD、新日鉄エンジニアリング、サトウキビを燃料にしている、アサヒビール、非食用米を原料にしているJA全農、オエノンホールディングス、規格外小麦やミニマムアクセス米を原料にしている三菱商事、キリンホールディングス、JAグループ、そして廃木材を大栄環境などが大手として名を連ねています。
その他、バイオ関連のキーワードとしては、ゲノム創薬、バイオセンサ、オミックス、NGS解析といったものがあげられると思います。
このように、バイオ業界はこれからを担う有望な業界と言えますが、製造コストや企業側と求職者側の需給ギャップの関係で、就職転職の求人状況を見ると、狭き門とはなっているようです。
