ホテル業界の離職率って何で高いの?転職すべき?
ホテル利用者の立場から見ると、華やかな印象がある「ホテル業界」。
10代の頃ホテルを利用して、煌びやかなホテルの内装、そしてホテルマンのきめ細やかな対応に心を打たれて、将来の夢に「ホテル業界で働くこと」を掲げている人も多いでしょう。
そして実際にホテル業界で働くことで、そうした自分が過去に想い描いていた夢を実現することはできます。
ただし、良い面だけスポットを当ててもいけませんので、ホテル業界で働く上での厳しい局面についても同時に言及せねばなりません。
ここでは、まず「ホテル業界の離職率の高さ」についてみていきたいと思います。
1.ホテル業界の離職率は約5割と高い
ホテル業界は離職率が他の業界と比べても比較的高いと言われています。
厚生労働省の調査を見てると、宿泊業界の離職率は「約5割程度」になっています。
離職率とは、「その会社に入社した従業員が一定の期間のうちにどれくらいの割合退職したか」を比率として表わした指標のことです。
そして、上記の厚生労働省の離職率に関する調査データも含め、たいていの場合「新卒入社組が入社してから3年以内に離職した割合」で表されることが多いです。
つまり、「ホテル業界に新卒で入って、3年以内に辞める人の割合が半分ぐらいいる」ということなんですが、他の業界の離職率が3割程度ということを考えても、ホテル業界の離職率はかなり高いと言わざるを得ません。
2.ホテル業界の離職率が高い理由について
離職率が高いということは、社員の定着率が悪いということです。
入社して数年で辞める人材が多いのは「その会社で長く働きたくない」と思っている従業員が多い空なのでしょうか?
なぜ、ホテル業界の離職率は高いのかその原因を探ってみたいと思います。
2-1.勤務形態が不規則である
多くのサラリーマンにとっては、9時出社17時退社が定時の勤務形態だと思います。
まあ毎日17時で定時退社なんて、よほどの優良企業ですが、基本的な労働形態はそうだと思います。
一方のホテル業界では、基本的にシフト制勤務になるため、就業体系が不規則と言わざるをえません。
例えばフロント業務を例にとると、
- 早番:9時から17時
- 遅番:14時から22時
- 夜勤:22時から翌朝9時
一例ではありますが、このようなシフト体制が組まれます。
午前勤務だけでなく、「午後勤務」や「夜間勤務」もこなさなければならないため、ホテルで働くことは、勤務形態が不規則であると言えます。
体調を崩す要因になりえるため、「不規則な勤務形態」も離職率の高さに影響を与えている一因と言えるでしょう。
※参考:通常勤務の職場に転職したい女性が活用すべき転職エージェント【ベスト5】
2-2.休みが少なく労働時間が多い割に給料が少ない
ホテル業界全体として「労働時間の割に給料が少ない」という実態があります。
様々なホテルがありますから、もちろん例外もあるでしょうが、もうちょっとお給料が高ければという声があるのも事実です。
毎日9時ー17時で帰社できる楽な仕事であれば、年収300万円足らずでも納得できる人も多いでしょうが、ホテル業界は、朝早くから終電ギリギリまで働くことも多く、肉体労働的な作業も少なくありません。
また、ホテルのサービスは、お客さんが休みの時に利用されるので、土日、祝日、ゴールデンウィーク、お盆やお正月など休むことができません。
せっかくのお休みも、他の業界で働いている友達にとっては平日であることも多いため、ストレスに感じることも多いでしょう。
このように、「労働量」と「賃金(報酬)」のバランスが従業員にとって悪いと、離職率が高くなる大きな原因となります。
私たちは商品を購入したり、サービスを利用するときに、「コスパの良し悪し」を判断材料の一つにすることが多いのと同様に、職業を決めるにあたって「労働時間の割に給料が少ない」職場は敬遠されます。
実際に働いてみないと、実際の労働時間はわからないことも多いため、ホテルに就職した後、実際働いてみて、給料が割に合わないと判断して離職する方も多いのだと思われます。
2-3.他のホテルに転職する人も多い
もともと、ホテルの雰囲気が好きでホテル業界に入った人がほとんどなので、一つのホテルでは飽き足らず、いろんなホテルで働きたいと思う人が多いことも、離職率が高くなっている大きな要因の一つになっています。
例えば、日本の老舗ホテルで3年働いた後、そこで得た経験を元に、外資系の5つ星ホテルで働いてみたいと思って転職するということです。
私たちが、いろんなホテルに泊まりたいと思うのと同様に、ホテル従業員も、いろんなホテルで働きたいと思うのはよく理解できます。
※参考:ホテル業界への転職に活用すべきおすすめ転職エージェント【ベスト5】
同じホテルで働き続けても大きな給料アップは期待できないという側面もあるので、一度他のホテルに転職することで、自分のポジションを変え高い給料で採用してもらうということを考えている方も多いでしょう。
転職を繰り返すことは、今のご時世ごく自然なことですので、転職エージェントを使って自分の希望するホテルへ転職するということで問題ないと思います。
「ホテル業界で働くのが向いている人」ということでいうと、「新しい物が好き」、「仕事を通じていろんな楽しい経験をしたい」、「利用者の喜ぶ顔が見たい」という前向きな人が特性があるような気がします。
3.ホテル業界での経験は他業種転職にも通用する
転職先として、同じホテル業界を考えている人が多い反面、やはり不規則な労働環境が辛いので、ホテル業界ではない他業種へ転職したいと考えている人もいらっしゃるでしょう。
年齢にもよりますが、ホテル業界から他業種への転職も十分に可能です。
ホテルでの仕事内容としては、
- サービス業務く
フロント、ホールスタッフ、ウェイター、客室係、ブライダルコーディネーター、支配人など、ホテル内においての接客やサービス提供が仕事になります。 - 販売促進業務く
営業・販売促進業務では、営業、販売促進、スタッフ教育などの仕事になります。 - サービス開発業務く
サービス開発業務では、ホテルで行うイベント、ブライダルプランの企画立案、市場調査などの仕事を行います。
このように、ホテルでの仕事を通して多くの経験を積むことができるため、他業種でも通用するキャリアを身につけることができます。
実際に、自分のキャリアでどのような業界に転職できるかは、転職エージェントに登録して、担当のキャリアコンサルタントに相談しながら決めると良いでしょう。
参考:転職活動で活用すべき転職エージェントと選び方のポイントを解説しています。
転職活動を通して、やはりホテル業界で働きたいと思うのであれば、今の仕事を続けるなり、他のホテルに転職するなり決めればよいと思います。
4.日本にはどんなホテルがあるの?
ここから先は、ホテル業界についてそれほど詳しくない人のために、日本にはどんなホテルがあるのかについて、まとめておきたいと思います。
すでにホテル業界で働いている方にとっては、当たり前のことだと思うので、ここから先は読まなくても大丈夫です。
まずホテルの種類ですが、宿泊に特化した「ビジネスホテル」のほかに、結婚式などの各種サービスを自前で持っている「シティホテル」があり、国産のホテルもあれば外資系のホテルもあります。
ビジネスホテルだと、「アパホテル」や「東横イン」をよく目にすると思いますが、「ワシントンホテル」「スーパーホテル」「ルートインジャパン」も有名ですね。
ミシュランなどの格付けで毎年上位にランクインしているラグジュアリーホテルも人気で、昔からある老舗御三家の「帝国ホテル東京」「ホテルオークラ東京」「ホテルニューオータニ」は今も健在です。
その後、「パークハイアット東京」「ウェスティンホテル東京」「ホテル椿山荘東京(旧フォーシーズンズホテル椿山荘東京)」と新御三家と言われる外資系ホテルが新御三家として登場しました。
利用者からしても、パークハイアット東京のニューヨークバーからの眺めは格別ですので、実際働くことを夢見ている方も多いでしょう。
最近だと「ザ・ペニンシュラ東京」「マンダリンオリエンタル東京」「コンラッド東京」「グランドハイアット東京」「ザ・リッツ・カールトン東京」が外国人観光客や富裕層から人気といわれています。
私個人的な感想としては、「アンダーズ東京」「シャングリ・ラ ホテル東京」「アマン東京」「パレスホテル東京」「フォーシーズンズホテル丸の内東京」「ホテルインターコンチネンタル東京ベイ」あたりのホテルが好きです。
仕事や接待でよく使うのが「渋谷のセルリアンタワー東急ホテル」や「丸ノ内ホテル」や「東京ステーションホテル」になりますが、立地的にとても使いやすく気に入っています。
このような素敵なホテル滞在の経験から、ホテル業界に就職する、転職することを目標にしている方が多いのはすごくよく理解できます。