派遣の方が給料高いのはなぜ?騙されるな!
求人を見ていていると、似たような仕事内容なのに、「派遣の求人の方が正社員求人よりも給料が高い」という場面に時々直面します。
例えば、次のような2つの求人を例にしてみます。
求人A
- 雇用形態:派遣社員
- 募集職種:プログラマー
- 経験年数:開発歴5年以上
- 月収モデル:約40万円(時給ベース2400円)
求人B
- 雇用形態:正社員
- 募集職種:プログラマー
- 経験年数:開発歴5年以上
- 月収モデル:約30万円(時給ベース1800円)
求人Aが派遣採用で、求人Bが正社員採用ですね。
職種はプログラマーで、仕事内容や労働時間はほとんど同一だとします。
派遣社員の方が月収が15万円ほど高いようですが、みなさんなら、どちらの求人に興味がありますか?
1.若い時は派遣社員の給料は高めですが、その後伸び悩みます
若い派遣社員は需要が多いです。
それは求人数を見てもわかります。
理由は、派遣社員の方が、会社側が即戦力を手軽に調達できるからですね。
ソフトウェア開発の現場では、忙しい時期(繁忙期)と暇な時期(閑散期)とが入り混じっていることが多いです。
仮に、繁忙期だと500人のプログラマーが必要で、閑散期だと200人のプログラマーで十分な場合、クビにできない正社員を500人採用してしまうということは、閑散期の間は余分な人件費が経営を圧迫してしまうことにつながるってことです。
つまり、企業側にしてみれば、いつでも契約を解除できる「派遣社員」を、多少高めの時給で募集した方が割がいいということになります。
2.派遣社員は使い捨てされます
正社員という雇用形態は、法律によって守られているため、かなり安定しています。
つまり、正社員として採用した人材が「役立たず」だったからと言って簡単にクビにすることはできないわけです。
一方の派遣社員はというと、正社員と違って不要になると簡単にクビを切られます。
正社員と違って、派遣社員は直接の雇用関係がないため、契約関係が緩いんですね。
そのため、企業側は気軽に派遣社員を採用できるというわけです。
そして、派遣社員がスキル不足だったり、繁忙期が終わったりすると、派遣契約を一方的に解約することで、雇用者の数とレベルを適切な状態にキープすることができるのです。
3.30歳を超えた派遣社員は、年々正社員転職が難しくなる
一時期の時間給の良さを理由に派遣社員になることが危険な理由に、派遣社員が正社員転職することの難しさがあります。
派遣社員である期間が長ければ長いほど、そして年齢が高くなれば高くなるほど、正社員に転身できる可能性がガクンと低下するということになります。
派遣社員は雇用形態としては全く安定していませんので、ケガをしたり病気をしたりして長期間欠勤を余儀なくされてしまうと、簡単にクビを切られてしまいます。
正社員の場合は、休職などの制度を使って、会社を休みながらも、一定割合の報酬をもらい続けることが可能なので、派遣社員と比べると全く待遇が良いですよね。
『3年間派遣社員として働き続けたら、それ以降正社員雇用される』という派遣法の3年ルールを期待して、派遣社員を続けている人もいるかもしれませんが、派遣社員で正社員登用された人なんて、実際はほとんどいません。
【参考】派遣社員で3年待って正社員化した人はどれぐらいいるの?
繰り返しになりますが、派遣の方が給料高いのは、繁忙期、閑散期の入り混じる会社にとって派遣社員を使い捨てするのが都合がいいからです。
自分の雇用を安定化させるためには、正社員として働くしかありません。
就活時期が運悪く就職氷河期に重なってしまい、派遣社員として働いている人もいらっしゃると思います。
建前上、明確な年齢制限というものはありませんが、30歳を超えた派遣社員は、年々正社員転職が難しくなるのは事実ですので、正社員として働きたい方は、早めに正社員転職するための転職活動を始めてください。