試用期間中の退職ってよくあること?注意点は?
試用期間というのは、企業側が求職者を採用することになったときに、本採用するかどうかを見極める期間のことです。
試用期間の長さですが、1年が上限ということになっています。
実際には1~6か月というのが一般的な気がします。
試用期間の間は、本採用と比べると結果的に、支払われる給料が低い場合が多いです。
そのため、試用期間に対してマイナスのイメージを持つ人も少なくないと思います。
ただし、後述する通り試用期間にはプラスのメリット面のほうが大きいと思っているので、試用期間について正しく理解し、必要な判断を下してほしいと思っています。
試用期間中の退職は全く問題ない
試用期間中に、「やっぱりこの会社向いてない」と感じたら、通常の退職と同様、退職届を出すことになります。
ただ試用期間中の退職に、「たった数ヶ月で早期退職するのはなんだか申し訳ない」というような、罪悪感や抵抗感を感じている方もいるようです。
ただ、そんな感情はもたずに、あくまでも決められた通りに退職に必要な手続きを踏むのがよいです。
後述しますが、試用期間というのは、企業側、従業員側にとって、お互いを見極める、吟味する場だと思っています。
たとえが適切かどうかわかりませんが、結婚でいうところの「お見合い」のような場です。
つまり、企業側が「勤務態度が著しく悪いので、この人を本採用するは適切ではないな」と判断する自由もありますし、従業員側が、「この会社は雰囲気が合わないし、ちょっと働きたくないな」と本採用前に退職することも自由だということです。
むしろ、「この会社は合わない」という結論が出ている以上、我慢してダラダラと長くい続けるよりも、会社を辞める決断は早ければ早いほど双方にとってはデメリットが少ないので、この後働く気持ちがないのであれば、試用期間中に早めに退職するのがよいと思っています。
ただし、可能であれば、退職の意思表示をする前に、次の転職先は見つけておいたほうが良いです。
試用期間は会社側、従業員側双方にとってメリットが大きい
さてこの試用期間という制度ですが、転職マニア的には、企業側、従業員側双方にとって、とても意味のある制度だと思っています。
採用した従業員が「勤務態度はまじめなのか」「業務遂行に必要な能力やスキルは足りているのか」については、実際に面接だけではわかりませんからね。
企業側が長期雇用を考えている場合だと、このように実際に働いているところを見て判断するこの「試用期間」という制度は理に適っていると思います。
また、採用された従業員側からしても、本採用前に会社を見極める最後の機会という意味合いがあるため、「試用期間」の間に、本当に自分がこれから先働きたい会社なのかどうかをしっかりと判断する機会ととらえることが大事になってきます。
つまり、試用期間中に「ちょっと思ってた会社と違うな・・・」という気持ちを持ったのであれば、その会社への本採用を辞退する(試用期間中の退職)という選択を決断するかを早めに決める必要が出てくるということです。
試用期間と研修期間の違いは
試用期間と似たような意味合いでで用いられるものに「研修期間」がありますが、研修期間というのは、業務に必要な基礎を教えるものになっています。
研修期間中は、OJTやロールプレイング(ロープレ)と呼ばれますが、電話応対や営業などを先輩に教えてもらいながら身に着けることになります。
つまり、試用期間中かどうかにかかわらず、研修期間が設けられる場合はあるということです。
試用期間と言っても簡単にクビには出来ません
試用期間について誤解している人が多いのですが、試用期間であれば簡単に従業員を解雇することができるというのは全くの誤りです。
試用期間中にクビにできるほどの事由とは、
- 業務に支障をきたすほどのスキル不足
- 度重なる遅刻や無断欠勤など勤怠が酷い
といったことが、ロープレを通じて判明した場合などのように、ただ態度がムカつくからなど、簡単な理由で辞めさせることは出来ないのです。
そのため、ちょっと今回の採用はミスマッチだったなぁと会社側が思っている場合、同じことを企業側に感じている従業員のほうから退職を願い出るというのは、ありがたいことでもあるともいえるでしょう。