転職回数多い人は面接で不利なの?
転職が当たり前の世の中にはなったこともあり、気が付けば新卒で採用されてから転職を何回も繰り返している人も多いでしょう。
そんなとき気になるのが、「転職回数多いと転職面接で不利になる」という噂。
本当のところ、どうなんでしょうかね?
巷では、転職回数が多い人はまともな会社に転職できないという話も耳にしますし、「わたしは転職回数が結構多いし、もう転職できないんじゃないか・・・」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
実際のところ「転職回数」はどの程度採用に影響しているのでしょうか。
1.転職回数なんて気にする必要ない
たしかに面接の際「転職回数」について質問されることはよくあります。
ただし、これは応募してきた求職者が「どのような人物なのかを見極める」ための一つの質問にすぎません。
「この人は38歳で転職回数5回か。これまでの転職に至った経緯はどのような理由があったんだろう。」
自社に応募してくれた転職希望者に対して興味があるから、質問しているということです。
なので、「転職回数多いですよね」
って初対面の面接官に指摘されて、肩を落とす必要なんて全くないです。
「転職回数3回以上は気になる」という意見を聞いたことがありますが、26歳で転職回数3回なのと、38歳で転職回数3回なのが同じなはずがありません。
「転職回数なんて全く気にならないな」って会社も意外と多いと聞きますしね。
転職活動前に気持ちが乱れるだけですから、世間に出回っているデータなんて気にしなくていいと思います。
2.自分のキャリアを第一に考え、必要に応じて転職した過去は自己肯定しよう
そして、これまでの自らの転職活動については、自分自身の中では必ず自己肯定しましょう。
だって、僕らはこれまで必要だと思ったから転職してたんですから。
過去の自分を肯定するためにも、「これまで自分にとって必要なタイミングで転職しています」と胸張って返事をすればいいです。
これまであなたが転職を決断した全ての瞬間を振り返ってみてください。
その多くが、自分自身が必要だと感じて動いた結果ではなかったでしょうか?
決して意味もなく転職を繰り返してきたわけではないはずです。
このような先行きも見えにくく、雇用の安定も確保されていない時代で、キャリアを伸ばせそうな会社や、自分を少しでも高く評価してくれる会社に積極的に転職するという決断が間違っていたはずがありません。
精一杯生きてきたのに、自分の過去を否定するような酷いことをする必要なんてありません。
転職回数が多いからと言って、過去の自分を否定したり、卑屈になる必要は全くないのです。
確かに「転職回数が多いことで採用面接で不利になるケース」や「書類選考の時点で落とされるケース」も考えられますが、それは他と比較したうえでの結論ですから仕方がないことです。
逆に転職回数が少なすぎて、「何でこの年になるまで転職してこなかったんですか?」って聞かれることもあるそうなので、自分の過去を気にする必要なんて全くないです。
3.面接では「転職を重ねた結果得たキャリア」を矛盾なく強調する
ただ「自分にとって必要なタイミングで転職している」とは言っても、転職面接の場ですので、もう少し具体的に返答する必要はあります。
私もこれまで何度も転職を繰り返してきましたが、面接でそこを突っ込まれたときには「転職を重ねた結果得たキャリア」を矛盾なく強調することが大事だと思っています。
私はシステムエンジニアですが、社内SEに転職した際には、
「1社目でソフトウェア開発に5年間携わり、もっと深いレイヤー(インフラ部分)について詳しくなりたかったので、2社目はネットワークエンジニアとして3年経験を積みました。それらの経験を通してシステム全体に詳しくなったので、御社の社内SEとして貢献できると思います。」
といったようなことを転職面接の際伝えました。
ポイントは、「自分にとっては「キャリア形成」が何よりも大事で、そのために転職を繰り返し、想定通りのスキルを身につけた。そして、そうしたこれまでの経験によって、御社にも貢献できると思っている」
ということを前向きに伝えることだと思っています。
決して飽きっぽいから転職を繰り返しているわけではなく、御社で長く働きたいと望んでいるという気持ちをしっかり面接官にアピールしましょう。
4.会社の一番の関心事は「即戦力社員」の採用
もちろん、会社側としては「できるだけ長く勤めてくれる人」は望ましいのは言うまでもありません。
ただ、入社したいが一心で「御社に入ったら定年まで転職するつもりは一切ありません」とまで優等生アピールはしなくていいと思います。
未来のことなんてわかりませんからね。
それよりも、「必要な転職を繰り返してきた今、私はこのようなスキルを身に着けたので、あなたの会社の即戦力になることができます。」ということを理解してもらう方がはるかに重要でしょう。
言うまでもなく、採用企業側の一番の関心事は「即戦力社員」を採用できるかどうかです。
会社に従順な社員が欲しいわけではありません。
そんなわけで、「転職回数が結構多いんですね」という質問に対しては、「自分にとって転職が必要だった局面で転職したことでキャリア形成ができた」ことを伝え、どのような面で会社に貢献できるかを伝える方が得策だと実感しています。
5.健康面に問題があって転職回数が多いわけではないことを強調しよう
これまで、これまでの転職回数を必要以上に気にしすぎないということについて書いてきました。
何度も言うようですが、面接ではこれまでの転職に一貫性があることの説明と、明るく前向きに働きたいという情熱をアピールすることが大事です。
ただ忘れてはいけないのが、採用企業側の立場に立って不安点をできるだけ払拭してあげられるかという点にも配慮しましょう。
企業側は、即戦力になる人材に加え、長く勤められる人材も求めています。
そのため、「私は御社が求めている人材で、御社に貢献したいんです」ということを、採用企業側が不安に思っている点を拭い去りながら説明することが大事になってきます。
例えば、「転職回数が多いのは健康面に不安を抱えているからではないか?」といった不安を企業側が感じている可能性もありますよね。
その不安を払しょくするためにも、健康状態に問題がないのであれば、「元気に働けます」という点も面接時にしっかりアピールすることが大事になってくるでしょう。
ブラック企業の過酷な労働環境で、一時的にメンタルをやられて、ウツ(躁鬱)っぽくなったとしても、今は元通り元気な状態になっているのであれば、そう伝えると良いでしょう。
面接では採用企業側の不安を払拭するために、「健康面に問題があって転職回数が多いわけではない」こともしっかりと伝えるようにしましょう。
※参考記事:【転職成功率を上げよう】転職活動で絶対に活用すべき転職エージェント【ベスト3】
6.「転職回数多い人は面接で不利かどうか」のまとめ
以上、ここまで「転職回数多い人は面接で不利なのかどうか」について書いてきました。
結論としては、
- 転職回数が増えてしまう社会的な背景があるため、そこまで気にする必要はない
- 転職回数の多い少ないだけで採用を決めるような会社があっても、気にしない
- 全ての転職が自分にとって必要だったことを「得てきたキャリア」を交え主張する
- 転職回数が多いのは健康面に問題があるからではないということを伝える
- どのような面で即戦力として会社に貢献できるかを伝える
- 定年まで働くつもりとまでは言わなくていいが、御社で長く働きたいという想いを伝える
このような感じのまとめになると思います。
採用人事の人も、多くの就活者を見てますし、とっくに終身雇用制が崩壊しているという今の時代背景を、私たち以上に熟知していますから、転職回数が多いことだけをことさらつついてくるようなことはないと思っています。
もし、「こんな転職回数が多い人は見たことがない」「何でこんなに転職しまくってきたのか、私にわかるように説明してください」なんてしつこく食い下がる企業があれば、圧迫面接でこちらの反応を見て楽しんでる可能性もあるため、そんな会社はこちらから辞退するってスタンスで良いと思います。