同一労働同一賃金が日本で難しい理由【問題点とメリット】
「同一労働同一賃金」という言葉をご存知でしょうか?
日本でも昔から議論されていることですが、ここ最近(安倍政権になって)さらに現実味を帯びるようになりました。
海外では、同一労働同一賃金は珍しいことではなく、むしろ当たり前という国も多いです。
同一労働同一賃金というのは、「同じ仕事内容なのであれば、賃金も同じにしましょうよ」という考え方のことです。
同一価値労働同一賃金という概念もありますが、これは内容的にさらに踏み込んでいて、職種が異なる場合であっても、労働の質が同じであれば同一労働同一賃金と同じように扱うというものです。
これらをわかりやすいように、商品をお客さんの手元へ配達する仕事を例にとってみます。
その宅配業務が、例えば1日に50件の家に商品を届けるのが業務内容だった場合
- 配達員の性別が男性であろうが女性であろうが
- 配達員の年齢が25歳であろうが58歳であろうが
- 配達員の雇用体系が正社員だろうが派遣社員だろうが
- 日本人だろうが、外国人だろうが
などに関係なく、同一労働を行った社員は、全て同一の賃金を受け取るということになります。
一見、とても公平でフェアな制度のように見えますが、果たして本当にそうなのか。
雇用者である事業者側から見た「メリット」「デメリット」だけでなく、被雇用者である私たちにとっての「メリット」「デメリット」を考えてみたいと思います。
企業側から見た同一労働同一賃金のメリットは「雇用の流動化」
同一労働同一賃金を採用するメリットを企業側の立場に立って見てみます。
会社側は、同一(価値)労働同一賃金を採用することで
- 労働に対しての支出を必要最小限に抑えることができる
- 必要に応じて社員を採用することができる
晩婚化を食い止める
効率化につながり余計な仕事を増やさない
さて、この同一労働同一賃金ですが、なかなか日本では定着しません。
なぜ、海外では当たり前とされている、この概念は日本に根付いていかないのでしょうか。