安定を目指し公務員試験を受け続けた
大学の近くに、公務員受験専用の予備校があることを知っていた転職マニアは、とりあえず予備校に行って話しを聞いてみることにしました。
予備校に入ると、公務員受験講座用のパンフレットが所狭しと並んでいます。
よく見ると、「国家公務員1種」「国家公務員Ⅱ種」「地方上級公務員」「東京都庁」「警察官」「外務専門職」「裁判所事務官」「防衛庁職員」・・・
と公務員試験の種類ごとに講座案内のパンフレットがわかれています。
公務員といっても、こんなに種類がいっぱいあるんだ。
当時の転職マニアは、とにかくほぼ終身雇用が保証されていることが公務員試験を受験する一番の目的でしたから、特にどの公務員になりたいという希望はありませんでした。
とりあえず、日程が被らない範囲で、受けられるところは全部受けよう
という考えののもと、転職マニアは、「国家公務員Ⅱ種」「地方上級公務員」受験のための講座パンフレットを自分のバッグの中に入れました。
それから約2年の間、その予備校には通いつめることになります。
公務員試験を2年間受け続けた結果
公務員試験は、結局2年間手当たり次第に受けました。
試験の日程が重複せず、試験科目が似通ってるものを選んだ結果、一年間に5つの公務員試験を受けることが出来ました。
結果、最終的にどこにも合格することが出来ませんでした。
今振り返ってみると、転職マニアは自分がなんで試験に合格しなかったのか、理由がよくわかります。
それは、公務員に心からなりたいと思っていなかったからだと思います。
- 公務員は安定しているから。
- 公務員だと民間みたいに倒産の心配がないから。
そういった消極的な理由で試験勉強しても、モチベーションを維持出来ないし、2年間チャレンジした後、燃えカスのような自分がいました。
『もう公務員試験を受け続けるのは無理。。。』
最後の試験の合否確認をした後、転職マニアは放心状態になりながらも今後についてぼんやりと考えました。
とにかく民間企業で働こう
バイトをしながら、2年間公務員試験を受け続けましたが、100万円以上あった貯金もほとんど底を尽きている状態になっていました。
もう残された選択肢は一つしかありません。
『・・・民間企業を受けてみよう。』
まだ卒業してから1年も経っていません。
この状態から民間企業に就職するには、どういう方法を使えばいいんだろうか。
いろいろ調べてみた結果、転職マニアのような立場だと「第二新卒・既卒枠」に該当するようで、募集している企業も少なくないようでした。
※当時を忠実に再現するため「第二新卒・既卒枠」と書きましたが、正確に言うと、転職マニアのケースのような、大学卒業後一度も企業で働いたことがない人の場合「既卒枠での就職」に当てはまり、卒業後一度社会人として働いたものの、何らかの理由で就労から3年未満で退職した人の場合が「第二新卒枠での転職」に当てはまります。「第二新卒・既卒枠」とひとまとめにしたのは、当時利用した転職サービスが、第二新卒・既卒用の転職サービスだったからです。
IT企業だと「既卒」「第二新卒」の正社員求人が多数見つかる
ただ、「第二新卒を募集している企業」に共通していることが一つありました。
それは、その大半がIT系の企業の求人。そして職種は「営業職」か「エンジニア職」のいずれかだということ。
時はITバブルの絶頂期でしたので、システム開発の需要がとてつもなくあり、どのIT企業も未経験で若い人材の確保に精を出しているようでした。
そういえば、パソコン音痴だった同期の拓哉も、IT企業に就職決まっていたっけな。
転職マニアは、パソコン、インターネットにはそこそこ詳しく、自信がありました。
なにより、コンピュータをいじるのが昔から大好きだったのです。
『第二新卒OKのIT企業を受けてみるか!』
曇りきった心の中が、どんどん明るくなってくるのが自分でもわかり、転職マニアはとてもうれしい気持ちになりました。
転職マニアは、家に帰るとすぐに、友達からすすめてもらった求人情報サイトに登録してみました。
とにかく、内定をもらわなくては。
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