会社に行っても仕事がない!つらい社内ニートの過ごし方
会社で行われた、新入社員向けのエンジニア研修は、思っていた以上に濃い内容でした。
2か月間のjava研修では、単体のアプリケーションを10個以上、そして数名でグループを組んで大がかりなWEBシステムも作り上げました。
また1か月間のネットワーク研修でも、L2、L3スイッチや負荷分散装置(ロードバランサ)をつかって、いろいろな検証作業をすることでTCP/IPの理解を完全なものにできました。
技術的なことももちろんそうですが、一番の収穫は、エンジニアとしてやっていける自信につながったことでした。
いよいよ、配属先の発表の日が近づいてきました。転職マニアは、WEB開発事業部もしくは、ネットワーク事業部を希望していました。
とりあえず、本社で待機
3か月間のエンジニア研修も無事最終日を迎え、いよいよ配属先の発表の日がやってきました。
新入社員1人1人に1枚の紙が手渡され、その用紙に配属先の事業部名が記されているとのことでした。
転職マニアは、わくわくしながら自分の手元に紙が配布されるのを待ち、配布された瞬間はそこに書かれている内容を食い入るように見ました。するとそこには、
社員#2087(転職マニア) 配属先 本社5階
とだけ記載がありました。
あれ、本社5階ってここじゃん。事業部はまだ決まっていないのか?
どうやら、周りのほとんどの社員も配属先に事業部の名前の記載がなく、明日以降もいまいる本社5階に出社するようにと書かれているようでした。
転職マニアは、すぐに新入社員の研修担当の先輩社員に、どういうことなのかを聞いてみました。
すると、まだ配属先を決めても割り当てる仕事がなさそうだから、とりあえず本社で待機していてほしいそうです。という返事が返ってきました。
やるき満々だった転職マニアは肩すかしを食らった気がして、少し呆然としてしまいました。でも会社の指示なので、明日もとりあえずこの研修場所に集合しなければいけません。
いきなりの社内ニートデビュー
次の日、転職マニアは本社5階に出社しました。
30人ぐらいでしょうか。一緒にエンジニア研修を受けた顔なじみの同期の姿も見えます。
すると、昨日まで研修を受けていた部屋の隣の部屋に全員案内されました。
初めて入るその部屋は、研修を受けていた部屋よりもかなり広く、70人分ぐらいの机と椅子が設置されていました。
みな、適当に開いている椅子に腰かけました。中にはパソコンすら用意されていないデスクもありました。
転職マニアの机の上には、パソコンがあったので、プログラム研修の復習をひたすらやることにしましたが、定時になるころにはだんだんと飽きてきました。
研修が終わったら、客先に常駐になるんじゃなかったのか??
やる気まんまんだった転職マニアは、がっかりしました。
・・・
単価0円の価値もない社員には仕事すらない
要するにこういうことでした。
プログラム研修を終えたばかりの新人は、当たり前ですが常駐先のお客さまの要求水準を満たしていません。
職歴がないですからね。
それは当たり前なので、通常はOJTをかねて、数か月の間は先輩社員のそばで、ほぼ単価ゼロ円でただ働きさせられるのが通常のパターンだったようです。
そして、数か月間のOJTが終わって、はじめてお客さんから認められて、客先から会社へ人件費が払われるってことのようでした。
しかし、常駐先にあまりにもOJTの新人が増えすぎたため、客先からも、OJTの新人はしばらくはいらないと言われてしまったようでした。
たしかに、数か月間は人件費なしだとしても、働けない社員が多すぎたら現場の仕事に支障をきたしますからね。
クライアントからしたら、人材を受け入れるために、机やパソコンを準備する手間もかかりますし、光熱費だってかかります。
ほとんど戦力にならないのであれば、単価0円であっても、これ以上来てほしくないということです。
そんなわけで、人が余り気味の状態ってわけで、本社の空いてるスペースに、ほとんどの新人の同期が待機してるって異様な状態になってしまったってわけです。
会社にいっても仕事がない状態の事を世間一般的に「社内ニート」と呼ばれています。
社内ニートこそ即チャンスに飛びつくべし!
社内ニートは、売り上げをもたらしていないのに、給料だけもらっている状態なので、会社内ではとても肩身が狭い思いをします。
「無能」だと思われがちですし、暇つぶししてるだけの連中と見られがちです。
でも腐っていても仕方がありません。
やる気に満ち溢れている新人に仕事を与えられないのは、会社側の落ち度です。
だから社内ニートだろうが、つらさとか感じる必要はなく全く自分を卑下する必要もありません。
「絶対に仕事がすぐに舞い込んでくる。そしたら「自分にやらせてください!」と真っ先に立候補してやるんだ!」
いつ仕事にアサインされても万全なように、転職マニアは研修中に教わった内容を何度も繰り返し復習しながら時が来るのを待ちました。
最初の仕事はえり好みしない
こんな「社内ニート」の状態が数週間続いたのですが、そんな転職マニアに転機が訪れました。
既存のシステムにルーターを1台追加する案件があり、転職マニアに白羽の矢が立ったのです。
周りにやる気アピールしていたのが伝わったのでしょう。
提示された作業内容は
- 既存のシステムにCISCOのルーターを1台組み込む
- 作業工数:1人日(転職マニア一人で対応)
- 実務経験がなくても新人研修で習得したスキルで対応可
ということで、初めての現場が北海道出張、しかも一人での作業ということで、がぜんやる気が出ました。
どこの会社であっても最初が肝心です。
『最初に与えられた仕事を丁寧にやり遂げること!』
そして客先はもちろん、会社からの信用をしっかり勝ち取ることが何よりも大事になってきます。
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