公務員と民間企業就職するならどっちがいい?
就職活動で民間企業を受けるか、それとも公務員試験を受けてどこかの役所で公務員として働くか。
「公務員か民間企業」の選択は、これから就活をはじめる人にとって、今後の人生を決める大きな決断になる場合もあるでしょう。
ちなみに、この「公務員と民間企業のどっちが・・・」というテーマに興味関心があるのは、就活生に限った話ではありません。
- 公務員と民間企業のどっちに就職すべきだったか
- 公務員と民間企業のどっちが給料がいいのか
- 公務員と民間企業のどっちがボーナスが高いのか
- 公務員と民間企業のどっちが安定しているのか
- 公務員と民間企業、結婚しやすいのはどっち?
といったように、私たちが社会人になった後も形を変えて、様々な場面で比較されることになります。
この永遠のテーマに、社会人経験がまだ15年の私の立場から言えることがあるとすれば、「安定や高い給与を期待して公務員を選んだらたぶん後悔する」ということでしょうか。
「公務員と民間企業のどっちがいいか」については、いろいろな意見があると思いますが、転職マニアの考えを書いてみたいと思います。
公務員の給料は決して高くないので
豊かな生活を期待して公務員を目指さないこと!
電車の中吊り広告を見ていると
- 「今年の公務員のボーナスは民間平均を大きく上回る」
- 「不景気にも関わらず、公務員の平均給与が前年よりもアップ!」
といった記事を目にすることがあります。
ちゃんとした調査を元に記事にしているのであれば、記事の内容自体は正しいのでしょう。
ですが、このような記事を目にして「公務員になったら豊かな生活が期待できる」と安易に思うのは危険です。
公務員の給料は決して高くないです。
30代半ばの国家公務員の年収が500万円程度なのに対し、大手民間企業だと同じ年齢でも年収1000万円超えていることなんてザラです。
マスコミがなぜ、公務員がさも他の職業と比べて恵まれているような記事を書くかというと、週刊誌やワイドショーを見る層のほとんどが、公務員よりも所得の低い中間~低所得者層だということを知っており、そのような公務員バッシングのような記事を書くと、雑誌が良く売れたり視聴率がとれることを知っているからでしょう。
つまり、「公務員は給料やボーナスが良くて民間よりも恵まれている」というのは、比較対象がどこなのかによって変わってくるということです。
年収300万の人から見ると、公務員は確かに恵まれているかもしれませんが、年収1000万以上の人から見ると、安い給料でよく頑張っているなという感想を持つ人が多いのではないでしょうか?
公務員の給料は決して高くないので、豊かな生活を期待して公務員を目指さないようにした方が良いです。
公務員になりたいって何?公務員って職業なんてないですよ!
転職マニアの友達に昔から警察官になりたくて、念願かなって刑事になった人がいます。
彼は小さなころから、「将来は自分のお父さんのように、悪いことした人をとっ捕まえる警察官になりたい」という夢を持っていたので、その夢をかなえたことになります。
小さなころからお父さんの背中を見て育ってきたので、警察官がどういう職業なのか、そして自分に向いているのかどうかも、わりとリアルに感じていたのでしょう。
転職マニアの高校の頃の友達に「医者」と「弁護士」もいますが、彼らも全く同じ理由で昔の夢をかなえています。
何が言いたいかというと、警察官になった友達は、警察官になりたかったのであって、「公務員」になりたかったわけではありません。
「医者」や「弁護士」の例と同じで、警察官になりたかったというだけなのです。
結果、警察官として生き生き仕事をしています。
なりたい職業でもないのに、公務員の身分が安定していると思うという理由のみで、公務員になったとして、楽しい社会人生活が送れるでしょうか。
「公務員になりたい」ではなく、自分がなりたい職業を目指さないと後悔だけが残ってしまう可能性が高いと思っています。
公務員は一生安定ってわけではないです
それから、公務員は一生安定ってわけではないので、変な誤解はしない方がいいです。
公務員だってリストラされます。
年金記録問題で廃止された社会保険庁や郵政民営化の際も路頭に迷う元公務員が大勢いましたし、2003年に廃止された食糧庁って役所がありましたが、行き場を失った多くの職員が、全く関係ない「刑務官」や「自衛隊」などに配置換えされ、仕事内容に耐えられなかった職員の多くが退職に追い込まれたというニュースもありました。
聞いた話なので確証はないですが、公務員の約4割は定年を待たずして離職しているそうです。
そして、公務員の厳しいところは、何らかの理由で公務員を辞めてしまった場合、転職先がほぼないということです。
民間企業であれば、働いていくうちにキャリアを身に付けることができます。
そのキャリアを武器にして、転職市場で自分を評価してくれる企業に転職することができるというわけです。
ですが、ほとんどの公務員にとって、そうした転職市場で評価されるようなキャリアを手に入れることが難しいです。
そのため、公務員は民間企業よりも身分が安定しているとはとてもじゃないけど言えないのではないかと転職マニアは思っています。
それこそ、東大や京大や一橋大学などの一流国立大学や、慶応や早稲田や上智大学のような一流私立大学を出た人であれば、民間企業のトップを狙った方が、桁違いに生涯獲得賃金は高くなる可能性があるし、何倍も楽しい人生を送れると思います。
冒頭の話に戻ることにしましょう。
「公務員と民間企業就職するならどっちがいいのか」と考えるのではなく、自分がやりたい仕事が民間でもできるのであれば、民間で働けばいいし、公務員という身分でないと出来ないのであれば、公務員を目指せばよいと思います。
将来の身分の安定のために公務員になって、定年までびくびくしながら働くのは、一番の不幸だと思っています。