40代でも転職出来る人と出来ない人の差はどこにあるのか
聞いたことがある人、あるいは実感したことがある人も多いと思いますが、世の中的には40歳過ぎると転職が目に見えて厳しくなると言われています。
試しに転職サイトに登録してみるとわかりますが、40代以降の人が自分の年齢で応募可能な求人検索をしてみると、その数が少ないことはもちろんのこと、なんとかヒットした求人も「重労働の仕事」や「年収が低い仕事」や「非正規求人」ばかりが目に付く現実に衝撃を覚えると思います。
「何だよ!性別や年齢で差別するのは法律違反なんじゃないのか?」と憤るのはおっしゃる通りですし当然なのですが、残念ながら「基本的には40代以降の転職はかなり難しくなる」というのが現状になります。
実際は40代社員間で人材価値の差が大きくなるだけ
ただ、くれぐれも誤解しないでいただきたいのが、40代過ぎても転職先に全く困らない人も多くいるという事実。
どういうことかというと、40代になると転職が難しくなる人の方が多いというだけで、年齢関係なく自分の働きたい職場に転職していき、おまけに転職するたびに年収も上がっている人もいるということです。
つまり40代になると転職が絶望的になり職を失うとニート人生まっしぐら・・・ということではないので安心してください。
「40代でも転職出来る人と出来ない人の差はどこにあるのか」について知りたい人も多いと思うので、そのあたりについて書いてみたいと思います。
採用したい積極的な理由が見つからない40代社員の転職は厳しい
なぜ40歳を過ぎると転職が難しくなる人が多いのでしょうか。
40代で転職が難しくなる人に共通した特徴を知ることで、その理由がわかってきそうですね。
◆40代で転職が難しくなる人材に多く見られる特徴
- 新卒社員でも数か月で出来そうな仕事しかしてこなかった人材
- 誰にも負けない得意分野がないジェネラリスト系人材
- マネジメントスキルの乏しい管理職系人材
- 企業の歯車として長年働いてきた依存系体質の人材
これらの特徴を見てわかると思いますが、一言で言うと「採用したい積極的な理由が見つからない40代社員」は、年を取ればとるほど転職が難しくなると考えていいでしょう。
年齢が上がるごとに企業が求める人材は異なる
日本でも終身雇用はとっくの昔に破たんしていますが、年功序列の制度だけは今だに踏襲している企業がほとんどですので、正社員の場合20代社員の方が、40代社員よりもはるかに安い給料で働いてもらうことが可能になります。
本当は、男女雇用機会均等法や雇用対策法を持ち出すまでもなく、「年齢」が合否の基準に影響を与えるのはよろしくないのですが、「同じスペック」もしくは「数か月OJTを経験出来たら追い付くスペック差」だったら、20代社員の方が採用されやすい同調圧力は存在するのかなと思います。
そういうわけで、まずは、年齢が上がるごとに企業が求める人物像は変わってくる(ハードルが上がっていく)ということを知っておいた方が良いでしょう。
年齢 | 企業が求める人材像 | 気を付ける点 |
---|---|---|
20代前半 | 積極的、協調性、行動力 | 横一線なので経験よりもやる気を問われる |
20代後半~30代前半 | 上記 + 即戦力 | 即戦力(採用後すぐに使える)人材が重宝される |
30代後半~40代 | 上記 + マネジメント能力 | 即戦力でかつ管理職の経験も求められる |
ちょっと経験を積ませれば20代社員にもこなせるスキルしかない40代であれば、20代社員を採用したほうが得だと考える企業が多いということです。
例えば、エンジニアだった自分のケースで言うと、25歳の時「C言語」「JAVA」での開発経験と「ルーター、スイッチ」の設計、構築があったので、もし40代のエンジニアが転職するのであれば、上記のキャリアが多少あるぐらいでは、採用されるのが難しいということになります。
確かに、25歳と40歳とでは15年間も開きがあるため、経験に差が出てきるのが当然と言えば当然です。
数多くのプロジェクトを経験した即戦力人材であることに加え、プロジェクトリーダー、マネージャーの経験もある方が望ましいので、会社から与えられた仕事だけを受け身でこなすのではなく、積極的に自分に足りない経験を補っていくことが、後々自分の身を守ってくると言えます。
スキルの乏しい40代社員は転職活動する際に気を付ける点
つまり、40代に突入するまでに順調にキャリアを積み重ねてきた人であれば、転職に困るどころか、ヘッドハンティングされるたびに、年収が1000万以上とうなぎのぼりに上がっている事例がある一方で、何でも薄く広くこなせるジェネラリストタイプの人が40代になると、転職の際かなり苦戦すると考えて良いということです。
どちらかというと、中小零細企業でもまれてきた社員の方が早くから危機意識をもってキャリアパスを築いている傾向が強く、大企業のような大きな組織で、日々自分の役割をルーティンワークとしてこなしてきたタイプの人が、40歳になっていきなり会社辞めて転職するというのが一番危険という感じがします。
スキルの乏しい40代社員は転職活動する際に気を付けるですが、とにかく「在職中に転職活動をはじめること!」これにつきます。
忙しいからといって、会社辞めてから転職活動を始めるのではなく、内定をもらってから退職届を出して退職という流れだと、最小限のリスクで転職することができます。
40代におすすめな転職エージェント【厳選】
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リクルートエージェント
40代の転職であれば、リクルートエージェントの活用がもっともおすすめできます。
マネージャークラスの転職、幹部クラスなどのエグゼクティブ転職をはじめ、40代の転職希望者にマッチした求人を紹介してもらえる可能性が他のエージェントよりも高いと思います。
40代の転職であれば、まずはリクルートエージェントに登録して担当のコンサルタントとじっくり相談しながら、転職活動をすすめるのが良いと思います。 -
DODA
DODAも取り扱い求人数が多いこともあり、40代転職に向いている転職エージェントだと思います。
40代でも、ハイクラス求人、マネージャークラスの求人を探している人は、転職エージェントDODAの活用も検討してみてください。 -
ランスタッド
ランスタッドは、50年以上の歴史を持つ世界大手のグローバル人材会社が展開する転職エージェントです。
各業界・職種に精通した専任のキャリアコンサルタントのサポートの質にも定評があります。
エグゼクティブ層、マネジメントクラスなど幅広い求人ニーズに対応しているエージェントになるので、、40代で転職活動をしている人にもおすすめできる転職エージェントになります。
世界最大手なだけあって、都市部だけでなく、地方にも数多くランスタッドの支店があるため、地方での求職者にもうれしい転職エージェントになります。
求人媒体は、転職エージェント以外にも、自分で求人を見つけるタイプの「転職サイト」や「求人雑誌」または「ハローワーク」などもありますが、まずは転職エージェントを使った転職活動が望ましいです。
すでに退職済みの人はどうすべきか
確かに40代の転職に望ましいのは前述のような、在職中の転職ですが、それでも「パワハラや長時間労働」が蔓延している会社ではうつ病などの心の病になって精神を病んでしまい、次の仕事を見つける前に、退職して無職になってしまったってケースも多々あると思います。
その場合に最悪なのが、次の職場が決まる前に貯蓄が底を尽きてしまって生活が困窮してしまうことです。
仕事をしていない状態=無収入が長く続いてしまうと、生活資金がなくなるのも時間の問題なので、生きるために家を売ったり、車を売ったり、またアルバイトをして一時金を捻出する必要が出てきます。
日々の生活が苦しいからと言って、カードローンなどに手を出してしまうと借金地獄に陥ってしまうので、くれぐれも注意してください。
理想的なのは、日々の生活費を切り詰めて、失業保険をもらいながら、その受給期間内に何とか最初の1社からの内定をもらうことを目標に、求人企業に応募しまくることしかないと思っています。
必要であれば、職業訓練校に通うことで失業保険の受給期間を延長することもできますが、そもそも失業保険は給料の満額がもらえるわけではないので、長期戦で考えるよりも短期戦を想定して、無職期間を少しでも早く終わらせるために、今までの経験でどこか働き口がないかとがむしゃらに転職活動するというのが望ましいと考えています。
結局のところ、40代でも引く手あまたで転職出来る人がいる一方、なかなか転職先が見つからない人がいるのも事実で、人によっては40代になるまで積み重ねてきたキャリアの差が如実に出てしまう残酷な現実に直面することになるかもしれません。
全力で転職活動しているのに、長いこと次の職場が決まらない人は、不本意かもしれませんが、求人のレベルを下げて、まずは1社から内定をもらうことに全力投球しても良いかもしれません。