IT企業でエンジニアが大量採用される理由

IT企業でエンジニアが大量採用される理由

IT企業でエンジニアが大量採用される理由

なぜIT企業でエンジニアが大量採用されるのかここで、多くの人が不思議に思っていることについて書いてみたいと思います。

「なぜIT企業ではエンジニアが大量採用されるケースが多い」のでしょうか。

入社後の話に入る前に、まずこの疑問について解消してみたいと思います。

実際、転職マニアが最初に入社した会社は、毎月同時に50人の未経験エンジニアを採用をしていました。

未経験者可で、全員正社員採用だったのも不思議でしたし、何よりも社員数1500人程度の中小企業だということを考えると、明らかに採用する人数が多すぎると不思議に感じました。

そして、それはこの会社だけの問題ではなく、他の多くのソフトハウス、SIerでも同じような大量採用が行われていたのです。

もちろん、当時はITバブルでシステム開発の需要が増えたことが同時大量採用の一因にあることは考えられますが、現在でも変わらず大量採用していることを考えてもそれだけではないと思っています。

一番大きなの要因としては、こうした多くの中小零細IT企業のビジネスモデルが、実質的に「IT人材派遣会社」と化しているのが背景にあるとみて間違いないです。

中小IT企業はエンジニアを他社に派遣することで利益を得ている

大手企業は自前のシステム開発会社を自社や子会社として持っています。

たとえば、自社が提供している「ウイルスソフト」の新バージョンを開発する場合でも、自社のシステム開発部門や子会社を使って自社開発することができます。

その企業に所属するエンジニアは、自社で取り扱っている製品に関するシステム開発を担当するケースがほとんどだと思います。

そして、作業ボリュームが予想以上に多く、自社だけで開発するのが難しいときには、他社に人員派遣の要請をするわけです。

実は、多くの中小零細のIT企業は、こうしたエンジニアの人員派遣サービスを自社の主要な収益源にしています。

つまり、IT会社という名の人材派遣会社。

自社のエンジニア社員を客先に常駐させることで、先方からいただく人件費が会社の売り上げになり、その人件費と社員に払うお給料の差額が会社の利益になるというわけです。

数年後、転職マニアはある大手メーカーに常駐しますが、そのとき耳にした情報によると、転職マニアがその客先からいただいていた人件費は月150万円だったそうです。そのときの転職マニアのお給料が29万円だったので、まあ月100万円以上が転職マニアの会社の利益になっていたというわけです。

大量採用しても最終的に適性のあるエンジニアだけ残れば会社は利益を出せる

つまり、客先に高単価で常駐できるだけの即戦力人材を大量に育て上げることができれば、会社の売り上げ、利益はうなぎのぼりに上がって行くというわけです。

一ヶ月の間に50人もの未経験の第二新卒者を採用したのも、しっかりとエンジニア育成研修を行い、OJTを済ませ、客先から高単価のとれる派遣エンジニアを育てるためだと確信したのは、多分入社から3年ぐらいが経過したころだったと思います。

あまり高単価がもらえないエンジニアも少なくないかもしれませんが、薄利多売であってもエンジニアの数が多いことで、利益は増えていきます

転職マニアは入社時に、エンジニアとしての適正テストを全く受けませんでしたし、現在のITスキルを聞かれることも全くありませんでした。

おそらく会社側は、大量採用したうちの何人かはエンジニアとしての適正がなく、いずれ辞めて行く可能性があるということも、ある程度想定済みなんだと思います。

その部分を損切りしたとしても、全く問題ないほどの利益が望めるから、無差別、無作為に未経験者の若者を大量採用しているということです。

毎月何人ものエンジニアが辞めていく光景を、入社後に目の当たりにしたのですが、適性のない人をふるいにかけているのですから、当然そうなります。

実際に美しい話とも思えませんが、転職マニアは結果として、エンジニアとしてのキャリアを積めるチャンスをもらえたことになるので、この会社にはとても感謝しています。

エンジニアは価値を報酬で評価してくれる会社に転職すべき

転職マニアのように、初心者OKの企業に採用されたのであれば、最初のうちは給料の安さを気にする必要は全くありません。

即戦力になりさえすれば、仕事が自然と集まってきますから、エンジニアの給料はびっくりするぐらい急激に跳ね上がるからです。

注意点としては、今いる会社で給料アップの交渉をするよりも、転職のタイミングで、前職よりも高い給料で採用してもらうという方が、年収アップしやすいという点です。

今いる会社では同期や先輩社員の目もあるため、急激に給料をアップさせることは現実的には難しいのに対し、転職先では、誰も前職の自分の給料を知らないから、年収アップというよりも、適正な年収を再設定しやすいということです。

サラリーマンとして生きていく以上、お金はとても大事なので、ひたすら経験を積み、それなりに即戦力エンジニアに育ったのであれば、未経験者として採用してくれた会社には恩義を感じつつも、待遇の良いIT企業に速やかに転職することも早めに視野に入れておくと良いと思います。

当たり前ですが、ITエンジニアとして食っていくと決めた以上、自分の価値を報酬の高さで評価してくれる会社に転職すべきなのは当然なので、会社を去ることに申し訳なさを感じる必要はありません。

例えば経験3年弱のITエンジニアに対して、年収350万円払ってくれる会社よりも、年収650万円支払ってくれる会社があれば、迷わず転職するのはとてもまっとうな決断だということです。

※関連記事:ITエンジニアが転職活動で活用すべき最適な転職サービスは何か

今回は少々話が脱線しましたが、次回は新人研修後、アサインされたOJTの話に入りたいと思います。

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